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日経クロストレンドフォーラム 2024
アユダンテ

マーケター必見
コンテンツ量産地獄に終止符
質×量を両立するクリエイティブ新常識

マーケティング現場は、「コンテンツ不足」と「制作スピードの遅さ」という終わらない課題に直面している。こうした状況を打開する手段として注目を集めているのが、アドビの生成AIだ。テキストで指示をしたり、ブランドガイドを学習させるだけで高品質な動画や画像を量産する、常識破りのワークフローとは。マーケティング部門のコンテンツ戦略を根底から変革するアドビの生成AIの真価に迫る。

質と量の両立を
生成AIの力で実現

「商品企画やマーケティングの担当者が顧客に最適化されたOne to Oneの体験をこれまで以上の規模とスピードで提供するために、コンテンツに対する需要は尽きることがありません」
そう語るのは、アドビのデジタルメディア事業統括本部エンタープライズ製品戦略部ソリューションコンサルタントの高橋絵未氏だ。

実際、どのくらいのコンテンツがあればマーケティングに理想的なのか。高橋氏によれば、仮に8つの製品を売る場合、SNSなどのマーケティングチャネルは15ほどあり、世界市場を意識すれば、35言語ほど必要になる。さらにそれぞれに3つのバリエーションのコンテンツを制作するとすれば、12600パターンが必要になる。バリエーション増やしたり毎月変えていくとなると、驚くほどのコンテンツを用意しなくてはならないという。これはあくまでも理想だとしても、現代のマーケティングは大量のコンテンツが必要であることは確かだ。

一方で高橋氏は、やみくもに数をカバーすればいいわけではないという。ブランディング、顧客体験、パーソナライゼーションを高めていく原動力となるのが、高品質なコンテンツだ。だが、内製化するにせよ、アウトソーシングするにせよ、コンテンツ制作への人海戦術的な継続投資は利益を圧迫することになる。では、ブランド力を維持しながら、より多くのコンテンツを制作するには、どうすればいいのか。いい換えれば、コンテンツの量と質を両立させる方法はあるのだろうか。

アドビ
デジタルメディア事業統括本部
エンタープライズ製品戦略部
ソリューションコンサルタント

高橋 絵未

アドビは2年半前からFireflyという画像生成AIモデルを提供していて、これまでに240億枚以上の生成画像が制作されているという。質と量の両立を生成AIの力で実現しようというわけだ。
「クリエイターの間で人気があるアドビのプロ向けツールには、すでにFireflyが搭載されています。例えばPhotoshopもその1つ。葉だけの画像に対して、水のしぶきとカエルの姿を加えてほしいと命令すれば、そのとおりに質の高い画像が生成されます」

著作権問題をクリアしたAI
画像から動画を生み出すことも

こうしたAI活用で気になるのが著作権問題だ。高橋氏によれば、AIのトレーニングに当たって、アドビが許可した画像だけを使っているため、安心・安全の設計になっているという。高橋氏がサンプルとして示したのは、「ヘッドホンで音楽を聴いている若者と、ネオン照明の暗い背景」というプロンプト(指示)をAIに与えた場合の画像だ。一見すると、普通の写真のように見える画像が簡単に生成できる。しかも、「まるで写真のようにリアルな描写が可能で、この1枚の画像から動く映像を生成することもできます」といいながら動画を披露する。先ほどまで画像だったヘッドホン姿の若者が、リズムに乗って体を動かす動画に変身する。

図表

キャプション

「このように、今までコストがかかっていた撮影や準備の手間を大幅に減らすことができます。また、例えばアングルが1種類だけの画像があり、別アングルもほしいときにわざわざ撮り直す必要はありません。ズームインなど、カメラの動きをつけることも可能です」と高橋氏は説明する。また、英語のスピーチの動画を基に、別言語のバージョンも用意し、唇の動きを各言語に合わせて変更することもできる。 高橋氏によれば、生成AIの広告活用も一般的になりつつある。例として紹介されたのは、電通が「くらしのマーケット」というクライアント向けに制作した広告だ。このプロジェクトでは、モデルを使って撮影する場合の予算や工数に制約があったため、Fireflyで架空のモデルが登場する画像を生成した。その結果、本来であれば2カ月ほどかかる制作期間が、5日間という短期間で完了。AIが生成した架空のモデルにもかかわらず、まるで実在する日本人を撮影したかのような精巧な人物画像の生成に成功した。「この事例は、広告制作の新たな可能性を切り拓いた」と高橋氏。

図表

次に、広告をクリックしてサイトに来た後にコンバージョンしたかという「クリックスルーコンバージョン」の計測にはどのような影響があるのだろうか。
「広告をクリックした際に、URLパラメーターの情報を使ってファーストパーティーCookieがどの広告がクリックされたかを記憶しますが、ファーストパーティーCookieに制限をつけていないGoogle ChromeはCookieを90日間保持できるので、コンバージョンの欠損は限定的と考えます。しかしSafariの場合は、ファーストパーティーCookieは7日間で削除され、さらにパラメーターから取得したファーストパーティーCookieは24時間という制限を受けるため、Safariでは広告経由のコンバージョン計測は24時間以内しか紐づけることができません」

メリットが大きい
Google「同意モード」

Google Chromeに関しては現状では一安心だが、Safariのシェアも少なくはない。Safariでの計測ができない現状は懸念されるところだ。そんな中で、Googleが提供している「同意モード」というソリューションについても、中村氏は言及した。

「ホームページに表示される『Cookieの利用に同意しますか』というバナーにユーザーが同意しない場合、すごく部分的な情報しか計測できません。例えばあるユーザーが広告をクリックした後コンバージョンしたとしても同じユーザーと識別できないということが起き、実際のアクセス状況と計測結果に乖離が生まれます。しかし、Googleの『同意モード』でCookie利用の同意有無に基づいた計測を行い、Googleアナリティクスの機械学習機能を使ったデータモデリング集計を利用すると、実際にアクセスしたユーザーと計測されているデータをできる限り近づけることが可能になります」

ここで話に出たCookieの同意バナーについて、中村氏は説明する。
「私は日本でのCookieの同意バナーについて調べたところ3つのパターンに大別されました。まず『レベル1』。これは下に黒いバナーがあり、プライバシーポリシーへのリンクなどがあって、『これを読んだ方は、Cookieの利用を同意したとみなす』というバナーです。ユーザーは×ボタンで閉じることしかできません。それに対して『レベル2』は、Cookieの利用可否をユーザーが選択できます。『レベル3』はどのCookieを利用するかをユーザーが選択できるもので、ユーザーが提供する情報のコントロールができますし、信頼関係の構築にもつながるといえます。レベル1と2の間ではユーザーのCookie利用の可否を選択できるかどうかが大きな違いで、さらにレベル3では、ユーザーが『このCookieを使ってよい』という柔軟な選択ができる。これらのユーザーが選択したCookie利用の同意情報に従って、計測管理を行うのがGoogleの同意モードになります」

Google「同意モード」の役割と
導入前に決めておくこと

「同意モードの役割には大きく3つあると思います。まず1つ目は、Cookie利用の同意情報をGoogleのプラットフォームに送ること。2つ目がCookie利用の同意状況に基づいて計測するという仕組み。例えば『これは使ってはダメだけど、この計測は大丈夫です』というような制御ができます。最後が損失したコンバージョンなどをモデリングによって補完するという機能です。この3つを総称して、『Googleの同意モード』と呼んでいます」

図表

次に同意モード導入の前に決めておくことについて述べた。
「まず、プライバシーポリシーの改定が必要かどうかの確認が必要です。2つ目は、プライバシーポリシーの規制は国ごとに法律が定められているので、どの国からのアクセスに対してどういう制御を行うのか決める必要があります。3つ目が、選択されたCookie同意情報に従いどの計測をどのような制御をするか決めましょう。
計測対象もGoogle以外の広告メディア(facebookやLINEなど)、ABテストなどのマーケティングツールも対象にするかどうかを検討する必要があります。4つ目は、同意管理プラットフォームCMP(コンセント・マネージメント・プラットフォーム)の導入の検討です。CMPにはいくつかのプロダクトがありますが、Googleの同意モードとは別物です。CMPはWEBサイト上でバナーなどを生成して、あくまでもユーザーのCookie利用の選択を管理するもの。CMPから情報を得て、実際に計測管理・制御を行うのがGoogleの同意モードになります。これを両方導入することのメリットは大きいです」

Google同意モードには2種類あるという。

図表

「Googleの同意モードは、シンプルな同意モードと高度な同意モードという2つの導入方法があります。前者はユーザーが同意するまで計測をしません。モデリングも非常にシンプルなもの。対して、高度な同意モードはユーザーの同意が得られないと、『Cookie利用に同意していない』という同意情報とCookieを含まないping情報をつかって計測を行います。Cookieの情報がないのでユーザーは識別できず、いつどのページが見られたか、いつコンバージョンをしたのかというカウントができるだけの情報で、『誰が』という情報を持っていません。この情報をもとにモデリング集計が行われ、実際にアクセスしたユーザーと計測されているデータをできる限り近づけます。それがGoogleの同意モードの考え方です。Cookie利用の同意を拒否した状況でただ計測を止めるのではなく、Cookieを使わない情報を送ることが重要なポイントです。EUのデータでは、平均で65%ぐらいの計測データが復旧できているそうです。我々アユダンテのソリューションでは、今お話したようなCMPを使った高度なGoogle同意モードの導入支援サービスを行っております。Cookieの同意バナーを導入するだけではなく、計測までマネージメントするソリューションに興味があれば、ぜひお声掛けいただければと思います」

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